余計な事を言ってしまって後悔した事がある方は多いでしょう。僕は口は災いの元だと思っています。仕事をする上でもそうですが、「出る杭は打たれる」ということわざがありますが、あれは本当です。
僕の身近に「40年間」もの間、同じ企業に勤めて「皆から惜しまれて」定年退職をしたSさんという方がいました。そのSさんが退職する時、僕に言った言葉が今も記憶に残っています。
会社内で一目置かれなくてもいいんじゃね?
会社内で「一目置かれたい」という社員は本当に多いです。上司の否定的な意見を述べて、ごもっともな意見を述べて
「○○さんすごーい!○○さんが上司になればいいのにー」
なんて言われて得意になっている社員はあなたの周りにはいませんか?
残念ながら僕の勤めている会社には沢山います。僕もSさんと出会うまでの僕は得意になっている人間でした。
Sさんは話が下手な訳でも、口下手な訳でもありません。むしろ話は上手な方で、聞いていて面白い話しも沢山してくれました。
人望が厚く、誰からも頼りにされていたSさんですが、会社からの評価は高くはありませんでした。
Sさんは絶対に前に立たない人。話し合いの場でも、ひたすら黙って話し合いの内容を聞いているだけ。
出世は全く望んでいなかったのでしょう。だからこそ本部からも「名前は知っている」位の評価で、評価は上がりもしないが、下がりもしないという無難な道を進んで行く。
誰からも一目置かれずに、評価は普通の評価。
会社内で一目置かれて、どんどん出世していった同期のメンバーもいたでしょう。
それらのメンバーを横目にSさんは黙々と平社員の仕事をこなしていました。
だけどSさんは、40年もの間同じ企業に勤め、惜しまれながら定年退職を迎えたという事実。
40年間の間、企業からの評価は「普通」だったSさんが退職していったという話を聞いたときに僕は思いました。
別に会社からの評価が上がらなくても、一目置かれなくてもいいんじゃ?
沈黙は金なり
僕にこの言葉は本当だった事をSさんが教えてくれました。
Sさんは同期のメンバーが会社に対する不満、他の社員に対する不満を言っているときも黙ってうなずいているだけ。
Sさんの口から社員の不満、会社に対する不満も聞いた事がありません。
ずっと沈黙していたSさんに会社の不満を言う社員もいなくなりました。
あの人はこう言っていたよ。あの人もこう言っていたよ。
こんな風に会社内では噂が広がるのは中小企業では日常茶飯事。
こんな負の連鎖に巻き込まれることも無く、Sさんは毎日楽しく仕事していました♪
周りのいざこざに巻き込まれない最善の方法。それは「沈黙」なのかも知れません。
そんなSさんは年下の社員から同期の社員にも人気があり、飲み会などはSさんがいないと成立しないほどに。
人脈は宝。会社内で慕われながら広い人脈を手にしたSさんにはこらからも温かい人生が待っているでしょう。
出る杭は打たれる
残念ながらSさんが退職を迎えた時、僕は同じ企業にはいませんでした。
Sさんが退職を迎えるときに、のんべえは一本の電話を入れSさんと少し話をする事が出来ました。
約10分くらいの話でしたがSさんの言葉が今でも耳に残っています。
馬鹿なふりが出来る人間というのは本当は賢い人間なんだよ。他の人より少しだけ能力が高いだけで頭角を表すと打たれるんだ。出る杭は打たれる。打たれないためには目立たない事だよ。
こんな風に言っていました。さらに
お金のために出世したいと望んで、頭角を表して、たった一回の失敗で会社を去っていった社員もいた。うちの会社は安定した収入を保証してくれるし、年に一回のベースアップもある。黙って黙々働いていたら毎年少しづつ給料は増えるんだよ。
この言葉を聞いた時に僕の中では色んな事が頭をよぎりました。
それは勇気が無いって事にならないか?
触らぬ神にたたりなし?
冒険し無い事で現状維持しかないんじゃ?
こう考えました。しかし、Sさんが皆に惜しまれて退職していった事実。
今でも会社のメンバーには慕われている事実。
選択肢の1つとしては間違っていないのかもなー。と感じました。
最後に
企業に身をおく中で「目立たない事」というのは必要なスキルの1つなのかも知れません。
企業の中で目立ってしまって結果として退職していく人間も多く見てきました。
「出る杭は打たれる」これは本当です。もしも出世を望むのならば
一歩前に出て打たれても、耐えられるように自分のスキルを伸ばす事です。
目立つ事で何かと注目を浴びます、注目されるという事は失敗も皆が知る事になります。
この事をしっかりと肝に銘じて昇進を目指しましょう。