魚を販売する職業に就いてから13年ほど経過しましたが、僕が魚に携わる仕事をはじめた当初と現在を比較すると「魚の種類」というのは本当に減りました。
僕が初めて「魚市場」に行った時、市場に並びきらないほどの沢山の魚が並んでいましたが、近年では市場いっぱいに魚が並ぶことは無くなってしまいました。
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魚離れはしていない?
「魚離れ」という言葉を良く聞きますが、この「魚離れ」は本当に魚を食べたい人たちが減ったのか?という疑問が最近になって僕の中に出てきました。
漁獲量が少ないために魚の価格は今でも上昇を続けています。例えば皆さんが「大衆魚」として認識している、アジやサバも数年前からしても価格は上がっています。
魚から肉にシフトしたでは無く魚が肉に比べて買いにくくなったのではないでしょうか?
確かに魚は生ゴミが出るというデメリットや、骨があるというデメリットはありますが魚のほうが体に良いというのは皆知っている事だと思います。
しかし、過去に市場でも二束三文で購入できた魚も今ではそれなりの価格が付いて来ています。
簡単に言うと肉の方が経済的になってしまっているのではないでしょうか?現在の子育て世代というのは経済的な面では非常に厳しい世代でもあります。
給料アップなんて話はほとんど無く、むしろ給料カットやボーナスカットの話のほうが耳に入ってくるこの時代。
「高価」な食材なんて子育て世代にはぜいたく品!先の事が不安で食費も最低限のラインで頑張っています!実際に僕の家庭もそうです(笑)
そんな世代が経済的な「肉」にシフトするのは必然なのではないでしょうか?安くて簡単な商品というのは今でも売れ続けています。
「魚が売れなくなった」のは背景にある大きな問題を隠すように「魚離れ」のせいにしてしまっているのでは無いでしょうか?
昔は沢山あった魚が少なくなってきている
現在の魚屋さんを見ても少なくなっているのは明らかですが、一番感じているのは毎年この時期になるとお店で見かける「タラバガニ」や「ズワイガニ」を最近見かけません。
市場で話を聞いて見ても入荷数が少なく単価が高いという話です。10数年前では考えられないことですが、実際にそういう状況になってしまいました。
カニが減少している理由を検索して見ると「乱獲」によるものが大きな理由という記事も見かけました。
カニだけに限らず全ての魚がそうだと感じます。今でも小あじ、小サバなどが販売されていますが、後1年、2年成長を待てば立派なアジに成長しているはずです。
しかし、網の目を小さくした漁業によって「小さなアジ」までも販売されているのです。結果として数年後の自分の首を絞めているのでは無いでしょうか。
漁師の跡継ぎがいないという話を耳にしますが、跡継ぎさせられないが正解でしょう。
理由は、これからは「儲からない」から。自分達の「漁業のやり方」というのが「育てる漁業」では無い事を分かっているのではないでしょうか?
日本と言う国は海に囲まれた国で漁業に適した国だと思います。しかし、その大切な資源を計画性も無く無差別に取っていては大事な資源も底をついてしまうのは当たり前の事なのでしょう。
ノルウェーの漁業から学ぶ個別割り当て制度
最近になって知ったのですが「ノルウェー」は漁業で栄えた国だとか。そんなノルウェーの漁業の事について調べて見ると「個別割り当て制度」という制度がありました。
・加工処理しきれない大量のサバを漁獲してしまう日本
資源管理も地方創生の機会も台無しに
上記リンクでノルウェーと日本の漁業の違いが分かります。
今、水産業界に必要なのは「育てる漁業」なのかも知れません。目先の利益に踊らされずに先を見越した漁業方法が今の日本には必要なのでしょう。
最後に
水産業界にずっと携わっている僕の意見がほとんど、さらに僕の住んでいる地域に事を書いていますので間違った情報もあるかも知れませんが了承下さい。
しかし、近年騒がれている「乱獲」や「魚離れ」という話題は僕ら「子育て世代」にも関係のある話のような気がします。
レッドリストに登録された「日本うなぎ」や「クロマグロ」を巡る問題は深刻な問題になっています。
「悪いのは誰なのでしょう?」
「今から改善しても間に合うのでしょうか?」
「誰か教えてください」
最後、1人言でした。
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コメント
難しい話です
まさしくそのとうりだと思います
これからの課題だと思います
のんべえーさん良く勉強されていますね
読みやすい記事いつも楽しく読んでます!
仕事がんばれ!
>まんでんほうさくさん
本当に難しい話ですよね。漁師さんたちが食べていくには小さい魚も取らないといけない状況ですしね。
勉強はしてませんよ(笑)ただ、気になった事は調べないと気がすまないたちなんです^^
のんべえさん
成長過程で捕獲してしまう事で産卵まで繋がらず、魚自体が減ってしまう・・・と悪循環になってしまうような気がします。
我が家では個人的な理由で食卓に大好きな魚の姿が見られませんが、今後食べられるようになった時に魚が「捕れない」なんて事にならないように祈っております。
>T.Oさん
そうですよね。魚の数は年々減少しています。
難しい問題ですが…数年後も魚が食べれることを祈っています^^